歯科医師の使命66


現在私は栗原市の志波姫小学校の歯科校医を任されております。志波姫は瀬峰からは少し離れていますが、在校生徒数から複数の歯科医師が同校の歯科校医となっているためです。今年は6月4日に歯科健診(写真)、7月6日には歯科講話の講師として歯の話をしてきました(写真2)。
現代では小学生でむし歯を持っている児童はあまり見られません。小学生くらいではむし歯が無くて当たり前となっている時代です。昭和の頃、私が子供の時のように学校から歯科健診の結果票を渡され、夏休みに同級生らと競ってむし歯を治しに歯科医院に通った風物詩は今は昔です。
それではむし歯があまりなくなったことで子供たちの将来を楽観視してよいかといいますと、そうもいきません。小学生ぐらいですと歯周病はあまり見られませんが、常に口の中に汚れを残したままにしておきますと将来歯周病になりやすい口内環境となってしまいます。ご存じのように歯周病は中高年以降全身の健康状態に密接に関係しています。ですから汚れが原因となる歯肉炎は厳しくチェックします。
さらに、昨今の日本歯科医学会等の考え方のように、食べる機能やしゃべる機能がちゃんと発達しているかということが、将来にわたっての豊かな食生活や高齢になった時の口腔機能に大きく影響すると言われ始めています。残念ながらこれらは学校の歯科健診では健診内容には含まれてはいませんが、すでに歯科医院では検査項目の一部になっています。例えば口で呼吸する、舌をだす癖がある、うまく咀嚼できない、うまく呑み込めない、発音障害、指しゃぶりがある、歯列不正などです。これらはむし歯のようにどこかが悪いというものではないので、治療で治る場合もありますが癖の改善や訓練などで発達を促すことが大事になってきます。
むし歯だけを診る健診はもう過去のものとなりつつありますし、『むし歯がないから、ああ安心だ。』というのは早計です。このように18歳未満でうまく食べれない、うまくしゃべれない場合、口腔機能発達不全と言いますが我々歯科医師もこれまで以上に研鑽を積む必要があります。『口はわざわいのもと。』ですから。


