歯科医師の使命64


11月15日(土)は市内築館の会議室で栗原市歯科医師会学術講演会が開催されました。講師は仙台市で「脳と心の石原クリニック」院長の石原哲郎先生です。演題は「改めて学ぼう!認知症の基礎と最新知見」~正しい知識と「つながり」で実現する、在宅生活~で特に認知症の基礎的な知識と認知症患者様への対応についてをメインにお話していただきました(写真)。石原先生はまだ40代でありながら、脳神経内科専門医、認知症専門医でイギリス留学の経験もあり、『超高齢化社会の課題を解決する国際会議2022』の演者も務められたこともある認知症の権威です。もちろん著作もあります(写真)。しかしながら講演の内容はとても分かりやすく、常に認知症の患者様を診療している我々としてもその対応の在り方について大いに参考になるものでした。認知症の医学的な病態については元々なんとか理解していたつもりでしたが、今回の講演で見えたのは、認知症の方の生の声を聴き「本当の思い」を聞くことによって、「きっとこう思っているだろう…」という推測に基づくケアではなく、ご本人の声が主役のケアが大事だということでした。このことは今後の診療にしっかり意識して臨みたいと思います。
さて大事なことがもう一つ。誰でも若い頃は歯周病で自分の歯が勝手に抜けるなんて思っていませんが、歯科の世界では日常茶飯事です。同じように「自分が認知症なんて。」と自分も含めて多くの方は思い込んでいるようですが、実は90歳過ぎればなんと半分の人は認知症だそうです。そこで、ではどんなことに気をつければ認知症になるのを遅らせることができるのか、を先生に直接お聞きしたところ、『まずは偏らない食事、ビタミンや希少元素(ミネラル、ビタミン類)そして運動。』だそうです。なあんだ、と思いますが忙しい人にはある意味とても難しいですね。最近物忘れがひどくなってきた方は、日常生活を見直しましょう。さらに認知症は遺伝の影響はなんと数パーセントということなので、ご家族に認知症の方がいらっしゃってもやっぱりなるかならないかは自分の努力次第ということですね。また「人間は忘れる生き物である」という名言は、ドイツの心理学者であるヘルマン・エビングハウスが言ってましたが、物忘れは加齢による影響が大きいそうなので、最近有名人の名前をすぐ思い出せない自分は少し安心しました。ですから忘れることの無いように、メモや表示をふんだんに使いましょうということでした。この日のことは絶対忘れないように資料は何度も見返そうと誓いました。


